【780M向け】2026-08-05 AMD 780M Vulkan: mmap回避で共有メモリ二重ロード解消、RDNA3のMambaフォールバック問題判明

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2026-08-05時点のAMD 780M(RADV PHOENIX)向けローカルLLM情報をまとめる。llama.cppのiGPU mmap回避デフォルト化が共有メモリ環境で決定的に重要。一方、vLLM側ではRDNA世代でhybrid-MambaモデルがTritonフォールバックしてデコード崩壊する問題が判明した。Strix Halo関連のVRAM認識不具合も共有メモリ環境で要注意。
llama.cpp: iGPUでmmap回避がデフォルトに(共有メモリ二重ロード解消)
PR#26081: add default load-mode auto, which avoids mmap on iGPUs
情報源: https://github.com/ggml-org/llama.cpp/pull/26081
AMD 780Mを含むiGPUユーザーにとって最重要の修正。llama.cppはデフォルトでload-mode auto(mmap回避)になった。これにより、モデルがシステムメモリからデバイス共有メモリにコピーされる際に、mmapされた領域とコピー先でメモリを二重に占有する問題が解消された。
780M環境(例: Ryzen 7 7840HS / 7735HS / 7535HS搭載機)では、GPUメモリはシステムメモリと共有(UMA)であり、BIOS設定で割り当てるVRAM上限(通常2GB〜8GB)を超えるモデル読み込み時に、mmapが残っていると実質的にモデルサイズの2倍のRAMを消費する。load-mode autoデフォルト化は、この二重ロードを防ぐ。
これは#20834と#26023の後続修正。iGPU環境ではmmapの恩恵(ディスク直読みによるメモリ節約)より、共有メモリでの二重占有リスクの方が深刻だった。
影響と推奨
llama.cppを最新に更新し、明示的に--mmapを指定していない限り、自動でmmap回避される
既存スクリプトで--mmapを指定している場合は、iGPU環境では削除を検討
モデルサイズがシステムRAMの50%を超える環境(16GB RAMで8GB+モデル)で特に効果大
vLLM: RDNA世代でhybrid-MambaモデルがTritonフォールバックしてデコード崩壊
[Performance] On RDNA, hybrid-Mamba models fall back to Triton paged attention and decode collapses
情報源: vLLM issue(RDNA hybrid-Mambaフォールバック報告)
vLLMにおいてRDNA世代GPU(RDNA3含む、AMD 780Mのアーキテクチャ)でhybrid-Mambaモデルを実行すると、Triton paged attentionにフォールバックし、デコードフェーズが崩壊する問題が判明。
780Mを含むRDNA3 iGPUユーザーは、hybrid-Mambaアーキテクチャのモデル(Mamba/SSMとTransformerのハイブリッド)をvLLMで動かそうとすると、期待した速度が出ないか、デコードが不安定になる可能性がある。
現状の対策
RDNA3 iGPUでMamba系モデルを使う場合は、llama.cppのVulkanバックエンドを使用する方が安定
vLLMのROCm/Vulkan対応はRDNA世代よりRDNA4+ / Strix Halo世代に最適化が進んでいる可能性
hybrid-Mambaモデルの利用は当面避けるか、llama.cppでの動作確認を推奨
Strix Halo(gfx1151)関連: VRAM認識不具合・Vulkanハング事例
以下の情報はAMD 780Mとは異なるAPU(Strix Halo / Ryzen AI Max)に関するものだが、共有メモリ環境のiGPUユーザーに参考となる。
Issue#26089: VRAM enumeration returns 0 on AMD Strix Halo (Windows) BIOS Auto
情報源: https://github.com/ggml-org/llama.cpp/issues/26089
AMD Strix Halo APU(gfx1151、32GB unifiedメモリ)でBIOSのGPUメモリ割り当てをAutoにすると、VRAM列挙が0を返す不具合。Fixed(固定)割り当てにすると正常動作。Windows 11環境(Bosgame M5)で確認。
780Mユーザーへの示唆: BIOSのGPUメモリ割り当て設定がAutoの環境では、llama.cppのVRAM検出が不安定になる可能性がある。Fixed設定(例: 4GB/8GB固定)に変更すると改善するケースがある。
Issue#26087: Qwen 3.5 122B hangs 100% CPU using Vulkan on AI Max
情報源: https://github.com/ggml-org/llama.cpp/issues/26087
Ryzen AI Max搭載機(Bosgame M5)でQwen3.5-122B-A10B-MTPをVulkanで読み込む際、llama.cppが100% CPUでハングする不具合。モデルロード中に発生。
780M環境での教訓: 超大規模モデル(122Bクラス)をVulkanで読み込む際、CPU側での前処理が完了せずハングするケースがある。780Mで13B以上のモデルをVulkan offloadする場合は、CPU使用率に注意し、ハングしたら--no-mmapや--mlockオプションを試す。
OpenCL: fused RMS normのバグ修正(AMD Vulkan環境でも関連)
PR#26085: fix fused RMS norm mul view offset
情報源: https://github.com/ggml-org/llama.cpp/pull/26085
OpenCLのfused RMS norm計算でmul view offsetのバグを修正。AMD環境ではOpenCLとVulkanがオーバーラップするケースがあり、OpenCLバックエンドを使用している場合はこの修正が適用される。
780Mユーザー向けの注記: Vulkanバックエンドがメインだが、OpenCLフォールバック環境やOpenCLビルドを使用している場合は、この修正でRMS norm計算の精度が改善される可能性がある。
AMD 780M Vulkan環境での実践設定
推奨llama.cpp起動コマンド(780M / 16GB RAM環境例)
# Vulkan offloadで7Bモデル実行(mmap回避デフォルト、明示的指定も可)
./llama-cli -m model.gguf \
--vocab-all \
-ngl 99 \
--gpu-device 0 \
-ub 2048 \
-ub-s 128 \
--mlock \
--no-mmap \
-t 4 \
-c 4096 \
--temp 0.7設定解説
--no-mmap: 共有メモリ環境では明示的にmmap回避。最新llama.cppではデフォルトautoだが、確実性のため指定
-ngl 99: 可能な限り多くのレイヤーをVulkan offload(780MのVRAM上限内で)
--mlock: スワップ回避。16GB RAM環境では必須検討
-t 4: スレッド数。CPUコア数に応じて調整(Eコア含む環境では物理コア数推奨)
-ub 2048: Vulkanのupload bufferサイズ。VRAM不足で落ちる場合は1024に減らす
BIOS設定の確認ポイント
GPUメモリ割り当て: Autoの場合、Fixed(4GB〜8GB)に変更を検討
iGPU有効化: 「Integrated Graphics」をEnabled
C-State / Power Saving: LLM実行中はオフ推奨(VRAMアクセス遅延の安定性向上)
本日のまとめ
llama.cppのiGPU mmap回避デフォルト化(PR#26081)は、780Mを含む共有メモリ環境で最も実質的な改善。モデル読み込み時のメモリ消費が約半分になるケースがある。一方、vLLMではRDNA世代のhybrid-Mambaフォールバック問題が判明しており、Mamba系モデルはllama.cpp Vulkanでの実行が当面推奨。BIOSのGPUメモリ割り当て設定を見直し、Autoの場合はFixedに固定するとVRAM認識が安定する可能性がある。
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